ダイヤモンドについて

ダイヤモンド 4Cのクラリティ

ダイヤモンド 4Cのクラリティ

前回は、ダイヤモンドの価値や品質を鑑定する評価基準「4C」の≪カラー≫についてお話を致しました。
今回は「4C」の中の2つ目
クラリティ(Clarity)についてお話をさせて頂きます。

クラリティ 透明度

クラリティとはダイヤモンドの透明度についての基準です。
別の記事でもお話をしましたが、ダイヤモンドは地球の奥深くで誕生した炭素の結晶体で出来ている鉱石です。
天然石なので石の内部には内包物(インクルージョン)というものや
外部にはブレミッシュ(傷)という特徴があります。

このような特徴の数の少なさや大きさ、位置などが評価基準となります。
完全に不純物の無いダイヤモンドはなかなかありませんが
完璧な評価となるのがフローレスとなります。

ダイヤモンドのクラリティグレードには6つのカテゴリーがあり、そのいくつかは細分化され、合計で11の等級となっています。
このグレードの評価は10倍の倍率でダイヤモンドを観察して、鑑定されています。

1 FL(フローレス) 
  FLは、熟練のダイヤモンドグレーダー(鑑定士)が10倍の倍率でダイヤモンドを見てもインクルージョン、ブレミッシュが一切見えないもの。
どの角度から見ても完璧な透明度があり、クラリティの中で、最高の評価になります。
ジュエリー業界に身を置いている人間でさえ、一度も見たことが無い人も多いという最高品質です。
ゆえに、一般の市場では、ほぼ目にする機会の無い非常に希少性が高いグレードになります。

2 IF(インターナリーフローレス)
  10倍の倍率でインクルージョンが見られず、ブレミッシュだけがかろうじて見えるもので、FLと同様に、一般の市場では、滅多に目にすることが少ない最高品質のグレードになります。

3 VVS1/VVS2(ベリーベリースライトリーインクルーテッド)
  10倍の倍率では、インクルージョンが非常に僅かで小さく、発見が困難なもので、肉眼では見えません。
  一般市場に流通している品質としては非常に優れていて、通常入手可能なダイヤモンドの中では最高クラスのクラリティグレードと言えます。

4 VS1/VS2(ベリースライトリーインクルーテッド)
  10倍の倍率で、インクルージョンがなんとか確認出来るが、微小と特徴づけられる程度です。
一般の方が10倍に拡大して見ても、インクルージョンやブレミッシュを確認する事は難しいです。ダイヤモンドの品質としては、最高クラスとは言えないものの一般的に流通しているものの中では、ほぼ最高クラスに近いグレードになります。

5 SI1/SI2(スライトリーインクルーテッド)
  10倍の倍率で見てインクルージョンが確認出来て、
  僅かな内包物が含まれていると評価されるグレードです。
  一般の方が確認する事は難しく、肉眼ではほぼ確認することは出来ません。

6 I1/I2/I3(インクルーデッド)
  10倍の倍率で、インクルージョンが容易に確認出来るため、透明度や輝きに影響を与える可能性があります。
  グレーティングレポート(鑑定書)などは付属しない程度の品質となり、
  一般的には婚約指輪などに使用されることは少なく、価格を抑えたファッションジュエリーなどに使用されることが多い品質と言われています。

インクルージョンやブレミッシュは非常に小さいため、訓練を受けたダイヤモンドグレーダー(鑑定士)ではないと確認する事が簡単ではありません。

肉眼では、VS1とSI1のダイヤモンドは一見すると同じように見えるかもしれませんが、全体的な品質の面ではかなり異なります。
このクラリティには鑑定機関により評価のバラツキがありますので
ご購入の際には、信頼のおける鑑定機関の鑑定書付きのダイヤモンドを購入されることをお勧めします。

このようなことから専門家による正確なダイヤモンドのクラリティ評価が極めて重要なのが分かります。