ジュエリーには古くからに長い歴史があります。
昔からジュエリーは、非常に高価で貴重なものでした。
現在残っている数も極端に少ないため現在私たちがアンティークジュエリーとして手にすることが出来るのは、18世紀以降につくられてものがほとんどといわれています。
時代とともに進化してきた現在のジュエリーのルーツともなるアンティークジュエリーの歴史について前回に続き、後編をお話をさせて頂きます。
ベルエポックとエドワーディアン
アール・ヌーボーのスタイルで活躍をしていたルネ・ラリックが香水瓶の職人になった後、ジュエリーの世界ではこの時代に「エドワーディアン・ジュエリー」は開花します。
この時代は、ヴィクトリア女王の長男エドワード7世の時代といわれています。
エドワーディアンは極めて端正、繊細な、白を基調とする貴族的な雰囲気をもったジュエリーだったそうです。
加工技術の発展とともにプラチナを用いたことで、レースの様に繊細なオープンワークや小さく目立たない爪留めなどの精緻な細工を施すことができるようになりました。
そして、ジュエリーの印象を軽やかで明るく、女性的な優雅なものへと変えていったそうです。
貴族が流行をリードする、最後の時代に咲いた華麗なる花だったともいわれています。
そしてこの時代の事を「ベルエポック(美しき良き時代)」と謳われています。
アール・デコ
二つの世界大戦の狭間に「アール・デコ」の時代がやってきます。
戦争で働き手を失った女性たちが社会に進出するようになると、
パリで生まれたファッションがジュエリーデザインの変化に大きく関係しています。
フランスのファッションデザイナー「ポール・ポワレ」がコルセットを排除し、「ココ・シャネル」が堅苦しいドレスから女性を解放したことにより、新しい洋服やスタイルに応じるジュエリーが求められるようになりました。
直線的な筒状ドレスには、真珠の着いたロングネックレスを、ノースリーブのドレスにはブレスレットを流行らせいったそうです。
そしてジュエリーのデザインも、ベルエポックの繊細さを残しながらも、前衛的な芸術運動や工業化の発展によるモダニズムの精神が抽象的な幾何学模様と直線をいかしたシンプルなものに変わっていきました。
そして貴族がファッションリーダーであった時代は終わり、ハリウッド女優たちが注目を集めるようになりました。
この時代には高品質なジュエリーが大量生産されるようになったこともあり、アール・デコのジュエリーは現在でも、アンティークジュエリーとして非常に人気があるそうです。
第一次世界大戦後には狂騒の20年代と呼ばれている新しいムーブメントが起こりました。
社会進出を果たした女性たちがが自らの力で得たお金でジュエリーを選ぶようになり、ジュエリー業界は著名な大手ジュエラーなどがつくるジュエリーと芸術的価値を優先したアーティストジュエリーという2つに大きく分かれ、それぞれのアール・デコスタイルへの取り組みに明らかな違いを見ることが出来ました。
その後も女性アーティストの活躍や新たな価値観とともにスタイルも進化をしていき時代とともに人々を魅了するジュエリーが生み出されてきました。
この時代の「アンティークジュエリー」があってこそ、現在のジュエリーに繋がる基盤となっていたんですね。