宝石といえば、まず無色透明のダイヤモンドを思い浮かベる人が多いと思います。
しかし、古代の人々の心魅了したのは美しい色彩をもつ「カラースト一ン」だったそうです。
今回はその「カラーストーン」についてお話をさせて頂きます。
様々な用途で使われてきたカラーストーン
紀元前4000年頃には既に、最古の宝石市場であったバビロンでエメラルドが取引されていたといわれています。
しかし当時、エメラルドは「緑色の石」を指す総称として呼ばれていたため、
実際にはエメラルド以外のさまざまな緑色の石も混ざっていたそうです。
また、古代エジプト文明や古代メキシコ文明では、
青色のトルコ石が盛んに用いられていたことも広く知られています。
髙度な研磨加工技術が発展していなかった時代には、地球から生まれた自然のままの美い色が宝石の生命であり、
他にはない魅力であったんですね。
宝石はその美しさゆえに、いつの時代でも装身具として珍重されてきたのはもちろんですが、
その他にも長い歴史の中で、さまざまな役割を果たしてきました。
まず最も原始的な役割としては信仰の対象であり、
身を守るための護符として重要にされていた時代もあったそうです。
ガーネットは、ギリシャ、ローマ時代から使われており、
特に、十字軍の兵士が戦傷を防ぐために身に着けていたといわれています。
ルビーは昔から不老長寿の象徴とされ、エメラルドは女神の御神体として崇められていました。
さらに時代をさかのぼると、 宝石は富と権力の象徴と考えられるようになりました。
誠実、尊敬、信頼を意味するサフアイアは、
中世のヨーロッパで、特に聖職者の印として、ローマ法王をはじめすベての枢機卿の右手に、
大粒のサファイアの指輪がはめられていたそうです。
誕生石
このようにさまざまな役割を果たしてきた宝石には、
実は、現在まで受け継がれているものもあります。
「誕生石」です。
誕生石はそれぞれに意味があり、身に着けていると幸せが訪れると信じられています。
誕生石の由来は意味にはいくつか説がありますが、
一つは旧約聖書の「出エジプト記」に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石、
そして「ヨハネの黙示録」中に理想郷として描かれた聖都の12の城門の土台を飾る宝石に由来するもので、
これらはイスラエルの12の部族あるいは12の使徒の象徴とされています。
一方、紀元前のバビロンに住んでいたカルデア人によつて生み出された西洋占星術でも、
黄道十二宮のそれぞれに宝石が配置されていて、天頂にある星座を象徴する石の力が
最も強くなると信じられていたことから、各月の石を毎月取り替えて身に着ける習慣となったそうです。
その種類は旧約聖書に記述されたものと深く関係があるといわれています。
これが現在の誕生石の基礎となりました。
その後、 誕生石の種類は地域性や時代によって他の宝石に変わったり、
更に種類が加えられたものもあります。
しかし、1912年にアメリカの宝石業界によって定められた種類が、
現在日本で最も広く知られていてる、一般な種類となっています。
カラーストーンには沢山の種類がありますが
多く知られているのが「誕生石」だと思います。
今後、誕生石に関してもそれぞれご紹介していきますので
また、読んで頂けると嬉しいです。