工具(Tool)

職人の工具 つくる工具 

職人の工具 つくる工具 

宝飾品をつくるうえで必要なもの。
その加工技術はもちろんのことですが、加工をする際に必要な工具も重要なものです。
そしてその工具を使いこなし、自身の身体の一部として共に製品をつくり上げています。

日々の製作現場で、使用している工具はその職人の手の一部となり、様々な加工が施されています。
そんな工具自体にも、用途に応じて加工が施されているんです。

今回は、アトリエの職人が使用している工具の一部を少しご紹介させていただきます。

ピンセット

一つ目はピンセットです。
上のものと下のもので先端の長さにや太さが違います。
ピンセットは、非常に細かいものを掴む為には必需品なのですが、細かな箇所にも力を加えて加工したいときにはこの様にピンセットの先端を削り、先端を太くして使います。
通常では、上の未加工のピンセットのように規定のサイズで販売していますが、好みのタイプを自ら加工してつかっているんですね。

やすり

やすりも同様に、左の未加工のものに対してやすりたい箇所に応じて形状を変えて使います。
また、使っていくうちにやすりの表面も摩擦の効果が弱まる為、こうして全ての面を使いきる為の工夫がされています。

ニッパー

最後にニッパーです。
ニッパーもやすりと同時に長く使っていると切れ味も弱まってくるので、刃先を研いで繰り返し使われています。
右のものに比べて、左のものは先端の刃先が薄くなっているのが分かります。

職人にとっての「手」の一部となる工具。
「もの」を大切にする精神こそが「ものづくり」に対して欠かせないことなんだと感じました。
この精神が熟練の職人の技術に繋がり、作品へ注ぎ込む想いにも繋がる非常に大切な事なんだと思います。

当アトリエがある山梨県甲府市には宝飾産業の長い歴史があり、多くの職人やジュエリーメーカーが存在しています。
この「ジュエリーの街甲府」を多くの人に知ってもらえるようにこれからも素敵な商品や職人の姿が見えるアトリエの風景などをご紹介していきます。