宝飾品をつくるうえで必要なもの。
その加工技術はもちろんのことですが、加工をする際に必要な工具も重要なものです。
そしてその工具を使いこなし、自身の身体の一部として共に製品をつくり上げています。
日々の製作現場で、常に使用している職人の「目」となるルーペ。
今回は、アトリエの職人が使用している「ルーペ」を少しご紹介させていただきます。
ルーペは、職人に限らず宝石に関わる業界人なら誰もが一人一個は持っているほどの必需品です。
倍率は10倍で、肉眼では見えない細部に渡って確認する事が可能となります。
もちろん仕上がった製品などの検品にもルーペは必ず使われています。
写真のルーペは、なんと20年以上使われているそうです。
長年大切に使い込まれてきた事で触れる場所は摩擦で色も変わり、光沢が出るほどにまで味がでていますね。
手前の置いてあるルーペは新しいものです。
初めはシルバーにコーティングされているのですが使い込まれ、コーティングはやがて剝げていき、金属そのものの色合いが出てくるんですね。
工具一つ一つにも愛着を持ち、ものを大切にする心はものづくりにも現れていて、それも長きにわたり培ってきた熟練の職人ならではの姿なんだと思います。
私たちのアトリエがある場所、山梨県甲府市には、今日に至るまでの貴金属製造に関する地場産業の長い歴史があります。
継承されてきた技術を守り、日々進化を遂げて甲府宝飾を贈り続けていきます。