1月の赤い誕生石「ガーネット」
実は赤いものだけではなく、カラーバリエーションや種類も豊富でその総称として呼ばれているのがガーネットなんです。
同じ結晶系でも様々な種類がある宝石の中では珍しい鉱石です。
今回は、その「ガーネット」についてお話をさせて頂きます。
ガーネット
和名【柘榴石(ざくろいし)】
1月の誕生石
ガーネット
ガーネットは、ギリシャ神話で「永遠」という意味の「柘榴」の象徴とされてきたそうです。
そして現在でも、ガーネットは信仰、真実、光といった言葉と深く結びついているようです。
ガーネットは、化学組成と結晶構造が鉱物の特性を決める例として特に分かりやすい宝石です。
「ガーネット」というのは、その科学組成の似た等軸晶系のグループの総称として呼ばれています。
種類は、下記の図のようアルミニウム系とカルシウム系の2系統に大きく分けられます。
更に、「ロードライトガーネット」、「マラヤガーネット」、「マリーガーネット」は、2つ以上の鉱物が複雑に混ざり合い、様々な色調を生み出しています。
宝石名に「ガーネット」と付けられていますが、一見色も見かけも様々です。
それぞれには硬度、屈折率 などの 特性に違いがありますがガーネット族に分類されている種類であれば 、必ず共通の結晶構造をもっています。
しかし、構造中に取り込まれている成分が少しずつ異なっているため、様々なガーネットが誕生し、それぞれに宝石名がつけられているんです。
バラエティネーム(宝石名)
昔から、一般的有名なのは赤色系のガーネットで知られていますが、実際には様々な異なる変種が発見されています。
落ち着いたワイン・レッドのガーネットで代表的なのは「アレルマンディンガーネット」で、最も広く愛いされてきたガーネットのひとつといわれています。
また、解やかな赤色の「パイロープガーネット」は、色がルビーと非常に似ているために混同されていましたが、パイロープガーネット自体も産出量が少ないため希少な宝石です。
1880年代になって発見された魅力的なローズレッドの「ロードライトガーネット」は、現在最も人気の高い赤色系のガーネットとなりました。
ロープガーネットはアルマンディンガーネットとパイロープガーネットの中間的なタイプのガーネットです。
また、それまであまり宝石としては知られていなかった「スペサルティンガーネット」は、90 年代に入り、「ホーランダイト」や「マンダリンガーネット」とも呼ばれ、美しいオレンジ色の、天然の鉱石が発見されてからは、非常に人気が出たガーネットです。
赤色系のガーネットには各種の中間タイプが存在します。
「マラヤガーネット 」と名付けられたコニャックカラーのガーネットもその一種で、スペサレティンガーネットとパイロープガーネットの中間のタイプとして知られています。
また、緑色の魅力的なガーネットの種類もいくつかあります。
それまでは、ひすいと似ていることで知られていた「グロッシュラーガーネット」。
1970年頃にケニアおよびタンザニアで透明なグリーンが発見されました。
「ツァボライト」の宝石名で、エメラルドに似た美しい色彩だと宝石市場で人気が出て世界的に広がっていったそうです。
そして、グロッシュラーガーネットにはその他にも、ゴールデン、イエロー、オレンジなどのカラーバリエーションがあります。
また同じ種類でありながら、褐黄色から褐赤色を発色するの「ヘソナイトガーネット」は、非常に特徴的なインクルージョンの存在で透明のグロッシュラーの中でも区別されています。
そして、ガーネットの中で最も希産といわれている「デマントイドガーネット」は、昔からコレクターの間で非常に人気が高く、独特な発色の緑色の中に浮かぶ虹色のファイヤは、一層の華やかきを放ちます。
同じ鉱物でも多くの種類があり、それぞれに特徴がある「ガーネット」。
次回はガーネットの種類についてご紹介させて頂きます。