歴史

ブリリアント・カットの歴史

ブリリアント・カットの歴史

ダイヤモンドといったらこの形をイメージされる方が大半だと思います。
この形を「ラウンド・ブリリアント・カット」といいます。

このカッティング技法になるまで様々なカットが生み出されてきたそうです。
今回は、その「ブリリアントカット」の歴史についてご紹介させて頂きます。

ダイヤモンドカットの歴史

ダイヤモンドを美しく見せるためのカットが初めて考案されたのは、13世紀頃だといわれています。
それまでは、原石の角張った部分が滑らかに整えられ、平らな面が磨かれる程度だったそうです。
初めて考案されたカットは、八面体の結晶の上部に平らな面(テーブル)をつくり、底部にも小さな平面(キューレット)をつくるという、「テーブル・カット」と呼ばれるものでした。
また、1400年代の終わりにはカッティング・ホイールという研磨機械が開発され、ダイヤモンドの輪郭を丸く仕上げることが可能になりました。

1600年代初頭に広まった「ローズ・カット」は、厚みのない原石を無駄なく利用できる、効率の良いカットでした。
上面をドーム状にしてファセット面をつくり、底面は平らにして金箔または銀箔を当てます。
それによって光を反射させ、ファイアをつくりだしてた輝きは多くの人々を魅了していたそうです。
当時、箔を利用するこの方法は色々な地域で受け継がれていたそうです。

17世紀後半、ベネチアの研磨加工師「ヴィンチェンツィオ・ペルッツィ」が、現在でも「オールド・カット」として知られているカットを考案し、これが後に現在の「ラウンド・ブリリアント・カット」に近いものだといわれています。
この「オールド・カット」は、58面のファセットがダイヤモンドを美しく輝かせてファイアを引き出していました。しかし、石全体はかなり厚みがあったそうで、研磨技術と共に発展していきます。

そして、現在の「ブリリアント・カット」が考案されたのは1919年だといわれています。。
これは、ダイヤモンドが元々持っている光を屈折させたり、反射させたりする力を活かして、まばゆい程の輝きとファイアを生み出すカット法です。
そのようにしてこのカット法は、広く親しまれる、業界のスタンダードとなりました。

ファンシー・カット

「ラウンド・ブリリアント・カット」以外のダイヤモンドのカットは、すべて「ファンシー・カット」と呼ばれています。
「ファンシー・カット」と呼ばれるものには「バケット」、「ペアシェイプ」、「ハートシェイプ」、「マーキス」などがあります。
「ファンシー・カット」に使われる原石は多くは産出されず、歩留まりも悪くなります。
そして、その他の「バケット・カット」や「エメラルド・カット」のダイヤモンドは、「ラウンド・ブリリアント・カット」のダイヤモンドほどの輝きは得られません。
「ステップ・カット」は本来カラーストーンのために考案されたカットで、テーブル面を広くとって宝石の色をそのまま綺麗に見せる為に開発されたカットだからです。
カッティング技術の発展により、現在では数多くの新しい「ファンシー・カット」が登場しています。