Birthday stone(誕生石)

誕生石の歴史

誕生石の歴史

一年を通して1月から12月までの、各月ごとにちなんだ宝石を「誕生石」と呼んでいます。
自分の生まれた月の宝石を身に着ける事でお守りになるなどと習慣ができていますが、
この誕生石とはいったいどのようにして、いつから習慣化されてきたのでしょうか。
今回は、その「誕生石の歴史」についてお話をさせて頂きます。

誕生石の起源

誕生石が出来た起源は、明らかになってはいませんが、いくつかの説があります。

ひとつは旧約聖書の「出エジプト記」からです。
ユダヤ教の位の高い僧が胸につけていた、12種類の宝石が縫い付けられていたプレートに由来するというものです。

次に、新約聖書の「ヨハネの黙示録」にある、エルサレム城壁の土台に飾られた12種類の宝石からだという説です。

そして、更に古いものではバビロニア帝国で用いられていた12星座と星座石に関係するという説もあるそうです。

この様な、諸説ありますが現在の様に自分の産まれた月の誕生石を身に着ける習慣は、18世紀のポーランドに移住したユダヤ人によって広められていったといわれています。
宝石は、古代より神秘的な力をもつ石とされ、人々に愛されてきました。
国によって宝石の歴史、文化、価値などは様々ありますがその中でも最も重要な宝石が選ばれてるんだと思います。

誕生石の習慣化

20世紀に入り、多くのユダヤ人がアメリカへ移住します。
そして、誕生石の習慣はアメリカにも広まりました。
1912年には、アメリカの米国宝石商組合によって正式に「誕生石」が制定されます。
その後、1952年に改定されて現在の誕生石が定着していきました。
1937年にイギリス、1958年には日本でも独自の誕生石が制定されます。
国々で誕生石の種類は人々の好みや宝石商の販売戦略も取り入れ、少しずつ異なったものとなったものになりますが、大半は同じもので習慣化されていきました。

誕生石を広めたユダヤの人々

誕生石が出来てきた歴史の背景には、ユダヤ人の歴史が大きく関っている事が分かります。
ユダヤ人は、古くから様々な理由で追害を受けてきました。
しかし14世紀にポーランドが国を統一し、国家の財政を立て直すために商才に長けていたユダヤ人を重要視します。すると、各国で追害されてきたユダヤ人はポーランドへ根付いていったそうです。
そして古くから宝石に関心を持っていたユダヤ人は、18世紀にポーランドで誕生石の習慣を広めていったといわれています。
ユダヤ人にとって、小さく携帯性に優れていて、更には資産価値の高い宝石は絶好のビジネスだったんです。
そのポーランドが戦争や内戦によって分裂されると、行き場を失ったユダヤ人は、今度はアメリカに渡ります。
そして、またアメリカでも誕生石を広めていったといわれています。
現在各国で、馴染みの深いものとなっている誕生石も、もとを辿るとユダヤ人の優れた商才によって習慣化されたもだったんですね。