真珠は宝石の中でも最もデリケートな宝石です。
他の、地球が生み出す鉱物から出来ている「無機宝石」と違って、
生き物の営みによってつくりだされる「有機宝石」のひとつである真珠は、
主に有機質である炭酸カルシウムとタンパク質から生成されています。
そのため、真珠には経年劣化をする特徴があります。
真珠は非常に繊細なので、美しさを保ち永く使うための、
特徴やその対処法をご紹介させて頂きます。
劣化の原因となるもの
・酸素
空気中の酸素によって酸化して色褪せの原因となります。
・紫外線
太陽光の紫外線や、強い照明、赤外線も色褪せや変色の原因になります。
・高温
高温によって真珠内部の水分が蒸発して亀裂や断層が発生することがあります。また、変色の原因にもなります。
・水分
水分が空気中の二酸化炭素と科学反応をおこし、真珠の成分を溶かしてしまうことがあります。
・酸
汗や皮脂に含まれた酸にも科学反応を起こして真珠の成分を溶かしてしますことがあります。また、劣化の原因となります。
真珠のジュエリーといえば、代表的な真珠のネックレスが挙げられます。
真珠のネックレスは、直接肌に着ける事が多いうえに、
着ける機会は結婚式などの、汗ばむ季節に多く集中しやすいです。
だからこそ、着けた後のこまめなお手入れが必要なんですね。
手入れをせずに放っておくと、汗や皮脂が酸化して、少しずつ表面の光沢を侵してしまうんです。
また、香水や整髪料をスプレーする際も、必ず真珠を身に着ける前に済ませましょう。
更に、水道水には塩素が入っているので、浸け置きするのは避けましょう。
堅くしぼった布で汚れ落とす程度なら、ときには必要だと思います。
使用後のお手入れ
・薬用成分がついていないメガネ拭きなどの柔らかな布で、粒の上を滑らせるように、丁寧に拭く。
・真珠のネックレスは、糸が緩んでしまうため引っ張らないよう気を付ける。
・イヤリングやピアス、リングも、同様に丁寧に拭く。
・ダイヤモンドや他の宝石と一緒にセットされている場合でも、それぞれ拭いて磨いてあげる。
・留具の隙間なども、綺麗に拭いておく。
・最後にしまう前に、糸の緩みはないか、全体的に汚れは残っていないかを確認します。
・拭いた後も、手であまり触らないようにします。
真珠のネックレスなどの糸を替える目安としては約2年といわれています。
使用頻度に関わらず、年数たてば弱くなるので、早めに交換することをお勧めします。
保管方法
大切にタンスの引き出しに保管しているという事をよく耳にします。
しかし、真珠の場合は、非常に危険です。
真珠は水分のバランスが輝きにも影響します。
乾燥剤や、防虫剤などが充満するタンスは、保管場所としてはあまり適切ではありません。
購入時に、付属されていたケースなどにしまい、日が当たらず、温度差の激しくない場所で、
乾燥しすぎない場所を選びましょう。
ジップロックなどの密封出来る袋にいれて保管するのもお勧めです。
また、真珠は比較的柔らかく、傷がつきやすいため他のジュエリーと一緒に保管すると
ジュエリー同士が触れ合って、真珠に傷がついてしまうことがありますの注意してください。
このお手入れ法を参考にして、日々のケアをすることで、美しく保ち、大切にされている真珠のジュエリーを永く使っていって頂けると幸いです。