長い歴史と共に培われた伝統と、独特な創造性が生み出すシェル・カメオの芸術作品。
ジュエリーの中でも特徴的な存在感を放つシェル・カメオについて。
カメオとは、宝石の上に浮き彫り彫刻を施した小さな芸術作品のことです。
その技術的な歴史は古く、古代エジプトの時代では装飾品としてだけではなく、
神聖なお守りとしても使われていたそうです。
カメオの種類は一般的に大きく2つに分けられ、使われる素材には「ストーン」と「シェル」があります。
「ストーン・カメオ」の代表的な素材には、瑪瑙、オニキスなどがあります。
また、「シェル・カメオ」にはマンボ貝、カブト貝、ベニ貝、黒蝶貝などがあります。
他にも象牙などを使ったものもありますが、いずれも硬質な天然の素材でつくられています。
ここでは主にシェル・カメオについてお話をさせて頂きます。
カメオの街
シェル・カメオの故郷はイタリア南部の観光地ナポリの南に位置する
「トーレ・デル・グレコ」といわれています。
ここで世界中のシェル・カメオの大半が生産されています。
彫刻の大家は「マエストリ」と呼ばれていて、その精巧な浅浮き彫りの
歴史と技術は共に世界中のに名を馳せているそうです。
現在、トーレ・デル・グレコには、約150の業者がカメオの生産に従事していて、
人口の約6%程度が貝やその他の細工物の職種に就いているそうです。
この街は、街全体で職人達を芸術面で格付けし、また保護して育成している
「カメオ工芸の聖地」とされているそうです。
その様な街の豊かな自然と、育まれた伝統が融合して美しいシェル・カメオが生み出されているんですね。
世界にひとつの芸術作品
シェル・カメオに使われる貝殻は厚く、層によって色が微妙に異なる貝を材料として選びます。
形の良い貝でも1枚からとれる製品はわずかで、その希少価値は非常に高いものになります。
もちろん全ての工程が手作業によって進められるため、出来上がりは世界にひとつしかない一点ものとなります。
他のものと違う自分だけの作品が楽しめるのもカメオの魅力です。