宝石

オパール

オパール

あらゆる宝石の中でも非常にデリケートな宝石。
神秘的な虹色の輝きを放つ「オパール」
そんなオパールの特徴や取り扱いについてお話をさせて頂きます。

オパール
和名【蛋白石(たんぱくせき)】

鉱物素材名天然オパール
結晶系非晶質
モース硬度5-6.5
遊色効果(プレイオブカラー)、黒、白、赤、緑、ピンク、黄など
主な産地オーストラリア、メキシコ、ブラジル、インドネシア、アメリカ、ホンジュラス、
タンザニアなど
化学組成SiO₂・nH₂O
比重2.15
屈折率1.450

オパール

オパールは比較的、日本では人気のある宝石ですが、これまでに歴史の中で様々な捉え方をされてきた珍しい宝石です。
ヨーロッパでは、古代ローマ時代には「神の石」とされて崇められ17世紀頃までは珍重されていました。
その後18世紀から19世紀にかけては「不幸をもたらす石」として避けられていた時期もあったそうです。
しかし特殊な内部構造から生まれる美しい遊色効果(プレイオブカラー)は、他にも類を見ない魅力で、現在に至るまで「希望の石」として多くの人に愛される宝石となっています。

遊色効果とは

オパール特有の神秘的な光のゆらめきを遊色効果(プレイオブカラー)と呼びます。
1960年に、この性質について緻密で均質に見えるオパールが、実は小さな球状や塊状の粒子の集合体で、遊色を放つのは粒の揃った球状粒子が規則正しく並んで詰まっているからということが判明したそうです。
光が当たるとオパールのサイズによって、小さいものは紫、中間のものは緑、大きなものは赤というように、虹色の遊色として現れます。

オパールの分類

オパールの特徴である遊色効果(プレイオブカラー)を発するものをプレシャスオパールと総称されています。
また、ボディのカラーが黒色から暗灰色のものを「ブラックオパール」

白色のものを「ホワイトオパール」

赤色からオレンジ系のものを「ファイアオパール」

ほぼ無色透明のものを「ウォーターオパール」

鉄鋼石の割れ目に流れ込んで薄く沈殿し、形成されたたオパール層を母岩とともにカットされ、
ブラックオパールに似た「ボルダーオパール」と分類されています。

また、遊色効果を示さず、宝石としてではなく研磨剤や断熱材にも使われている「コモンオパール」もあります。

オパールの由来

オパールは、古代サンスクリット語で宝石を意味する「Upala(ウパラ)」に由来していて、非常に美しく輝いていたことから、宝石を意味するラテン語の「Opalus」、ギリシャ語の「Opalios」が語源だといわれています。

また、和名では「蛋白石(たんぱくせき)」と呼ばれています。

水分を吸収するオパール

オパールは宝石の中でも大変デリケートな宝石で取り扱いにも注意が必要です。
実は、オパールには水分を吸収する特性があるといわれていて、水に2時間ほど浸すことで、約6.5%重量が増えて遊色効果が弱まることが分かっているそうです。
逆に急激に乾燥させて水分が抜けると、亀裂が入ってしまうことがあります。

中には永く美しさを保つことのできるオパールもありますが、大半は経年劣化や水分のバランスによって重量や色調が不安定になってしまうので
取り扱いには十分注意をしてください。

日々のお手入れで綺麗にするたの水で洗う程度では然程問題はありませんが、洗ったあとはよくすすぎ、必ず乾いた柔らかい布で十分拭い、自然乾燥をさせてください。

オパールはもとももと構造中に水分を含んでいて乾燥もダメージの原因になることを覚えておいてください。
更に、宝石としては硬度も低く傷つきやすいので、他の宝石とは一緒にはせず分けて保管するように心掛けなければなりません。
購入した際に付属されていたケースなどに保管する事をお勧めします。