宝石

宝石とは -鉱物と宝石の名前-

宝石とは -鉱物と宝石の名前-

前回、宝石が魅せる色彩と輝きに関係する、
「宝石の結晶」についてお話をさせて頂きました。

今回は、宝石を生成する結晶や成分で区別される「鉱物」の種類と
「宝石名」について代表的なものを例に上げてお話をさせて頂きます。

鉱物名と宝石名

鉱物は化学式であらわすことができます。
「Al₂O₃」という化学式が示す鉱物は「コランダム」という鉱物名です。
実は、このコランダムに属する宝石が有名な「ルビー」と「サファイア」です。
「SiO₂」という化学式が示す鉱物には「クオーツ」という鉱物名です。
クオーツには「水晶」や「瑪瑙(アゲート)」があげられます。
色も名前も別の宝石ですが、化学成分は同じ鉱物種なんです。

「C」という化学式が示す鉱物には炭素で出来ている「ダイヤモンド」や「グラファイト(石墨)」があげられます。
こちらも対照的で意外な同じ鉱物種です。

これは、同じ化学式で示された鉱物種でも、内部に含む原子の結晶構造が違う鉱物もあり、
鉱物が生成する工程での条件で色に差が出てくるそうです。

そして、化学式や結晶構造の違いをもとに、独立した鉱物種を決めて、独自の鉱物名が与えられます。
独立した鉱物種は、約4000種を超える数がありそうです。

数多くの種類があるコランダムは商業上の理由から区別するために宝石名を
赤色の石を「ルビ一」、青色(赤色以外の石)の石を「サファイア」、星の模様がでる石を「スターサフアイア」と呼ばれています。

また、鉱物名がベリル (縁柱石)という鉱物種には色調の違いで
エメラルド、アクアマリン、モルガナイト、ヘリオドール、ゴッシェナイト、イエローベリル、レッドベリルなどの宝石名の種類があります。

同じ成分で成分された鉱物でも
その誕生するときの条件の違いで、
異なった「色」、「輝き」、「模様」の宝石が生まれるんですね。
それぞれに特徴と魅力があってその背景を知ると
その奥深さを感じます。
宝石は地球が産んだ奇跡の贈り物なんだと思います。