歴史

メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO DITS MELLER)の歴史

メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO DITS MELLER)の歴史

世界で最も伝統のあるジュエラー
フランソワ歴代王室から世界中の貴族に愛され、
今でもその歴史を継承する老舗ジュエラー
「メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO DITS MELLER)」
創業から400年以上続く歴史の深いジュエラー。
ヴァンドーム広場にある「5大宝飾店グランサンク」のひとつでもあるジュエラーです。
今回は、「メレリオ・ディ・メレー」の歴史についてお話をさせて頂きます。

最古のジュエラー

現存するジュエラーの中で、最も古くから歴史があり、最古のジュエラーといわれている「メレリオ・ディ・メレー」。
現在は、改名されていて「メレリオ(Mellerio)」となって健在しています。

イタリア人の創業者「ジャン・バティスト・メレリオ」(1765-1850)は、フランソワ一世の1515年頃からフランスに移り住み、
ルイ十三世の1613年にはジュエラーとしての登録がされていました。
更に、1796年には店舗を開きます。
そして1815年には、ヴァンドーム広場があるラ・ぺ通り9番地にジュエラーとして初の店舗を開いたといわれています。

メレリオには不思議なことにこの長い歴史の中で、これがメレリオだと言える特徴を持ったジュエリーがあまり見かけないのにもかかわらず、
ずっと存続してきたことです。
しかし、メレリオジュエリーの特徴は、上品で正統派なデザイン。
ファッションの中でジュエリーは更に美しく見せるための装身具であることに徹した、出すぎていないデザインが正にメレリオの誇れる特徴なんですね。

また、メレリオ一族の「フランソワ・メレリオ」(1772-1843)も、イ夕リアからフランスに戻り、1851年までパリの別の場所で店の営業を続けていたそうです。
メレリオ一族は、子孫が絶えることなく、その多くがジュエリー業界に入っていたことから現在の十五代まで、続いたのだといわれています

王室や貴族を顧客に獲得

メレリオは、ナポレオン一世の妃ジョセフィーヌやその一族を顧客にしていました。
しかし更なる実力を発揮できたのは、ナポレオンが失脚した後のことだったそうです。
オルレアン公爵夫人やベリー公爵夫人、
更に、1826年頃にはフランス王シャルル十世に大きなジュエリーを納めるほどになりました。

フランスで二月革命が起きていた1848年頃には、スペインに出向いてマドリードに店を開きます。
そこでは、後にナポレオン三世の妃となるウージェニーにジュエリーを納めいぇいたそうです。

その後、フランス皇帝となったナポレオン三世と皇后ウージェニー、
そしてその一族、臣下などの多くの顧客を獲得し、絶頂期を迎えていました。

更に、67年のパリ万国博では金賞を受賞。
73年のウイーン博では名誉大賞を受賞。

78年にはフランスのビアリッツやドイツのバーデンバーデンに店を開きます。

この間に、ロスチャイルド家の富豪やスぺイン王妃、ロシアやポーランドの貴族なども顧客に獲得し、
ナポレオン三世の失脚後の、第三共和制の時代もうまく乗りきっていたそうです。

このような状況のなかでも、自社の職人育成にも力をいれていて後世に繋がる有名になった職人や作家を育てていたそうです。
なかには、「ファリーズ」、「フォントネイ」、「マッサン」、「ラリック」などがメレリオで修業していたそうです。
それも、メレリオの凄さや魅了のひとつではないかと思います。

事業を広げて海外進出

1900年代に入り、ジュエラーとしてメレリオの活動は少なくなっていたといわれています。
ブラジルや中米で開催されていた博覧会などに出展したり、
1920年代のアールデコの時代にも、アールデコ様式のジュエリーをつくっていたりと、
活動は、あったそうですがフランスを代表するジュエラーとしての目立った行動は少なかったんだと思います。

一方で、ジュエリーの分野だけではなく他分野でも幅を広げていたそうです。
55年から、サッカーのバロンドールのトロフィーなどの製作。
81年に、全仏オープンテニスの優勝トロフィーを製作。
84年には日本市場にも初進出。
89年には宝飾時計に進出して、93年にコレクションを発表します。
98年には、特許を取得した石のカッティング法の開発「メレリオカット」
2002年には、アメリカ市場にも進出していました。

こうした活動を経て、現在の経営者である「オリビエ・メレリオ」で十五代目だそうです。
実は、ヴァンドーム広場のラ・ぺ通りに今でも健在する本店の資料室には、非常に多くのデザイン画や原型が残っているそうです。
400年以上もの歴史と、十五代にわたる蓄積を活かして、今後もパリを代表するジュエラー「メレリオ」に期待しています。