前回に引き続き、ジュエリーが出来るまでの制作の中から
職人の仕事シリーズ第2回目となる「磨き」工程についてお話していきます。
今回お話するのは、磨きの中でも初期に行う≪下磨き≫と言われる工程です。
下磨き
この工程は読んで字のごとく、ジュエリーを光らせていくための下処理のようなものです。
ヤスリ掛けした箇所は当然のことながらヤスリの跡でザラザラとしていて、
このヤスリ目(跡)を消していくために様々な工具を駆使して傷を消し表面を滑らかにし光沢を出していきます。
ロールペーパー・シリコンホイール・フェルトホイール・毛ブラシ・豆バフ・バフ等の道具を使い
少しづつ、ジュエリーの輝きを引き出していきます。
磨いて光らせる、と聞くと
ただ光らせるだけなら誰でもできそう。と思えるかもしれませんが、
デザインを崩さずに、ジュエリーの持つ輝きを最大限に引き出すには高い技術力と優れた感性が必要になります。
ジュエリーの完成形をイメージし、逆算でものを考え、今何が正解なのかを常に考えながらひとつひとつの工程を丁寧に作業していきます。
下磨きの流れ
主だった下磨きの流れは
■ロールペーパーでヤスリ目を消す
■シリコンホイールでキワのざらつきを取る
■フェルトホイールでリングの内側に光沢を出す
■毛ブラシでキワを滑らかにする
■豆バフで大きなバフが、入り辛い個所に光沢を出す
■バフ研磨で全体を磨き上げる
文字にすると単純な感じがしますよね。
ですが、職人の指先の感覚や経験によって行われる作業なので、詳細を文字に起こすことが非常に難しいんです。
当然ですが、1つの1つの工程の中にも細分化された工程があり、その都度状況に応じて工程を組み替えて作業していきます。
デザインに職人の感性を組み込んでいき、より良いジュエリーが作られていくのです。
次回は磨き作業に使用する道具を紹介していきたいと思います。