製造

ジュエリーが出来るまで 後編 -加工-

ジュエリーが出来るまで 後編 -加工-

ジュエリーが出来上がるまでに、細分化すると実に100以上もの
項目があり緻密な作業と時間を掛けられて、熟練の職人の高い技術でつくられています。
弊社では、ジュエリーの企画、デザインから自社アトリエでの製造まで、一環した制作環境が整っています。

今回は、ジュエリーが出来るまでの代表的な作業工程9つの中から
キャスティング(鋳造)された地金を職人の手で美しく仕上げていく
後半の5工程「加工編」について
お話をさせて頂きます。

ヤスリ掛け

キャスティング後の表面はざらざらしていたり湯口の切り残りが出ています。
湯口の切り残りなどを取る為に粗めのヤスリから始まり細かい目のヤスリまでかけていきます。
その際、削り過ぎていないか計測しながら作業していきます。                                         ヤスリ掛けはジュエリー製作において基本の”き”です。一定のリズムを刻みながら時に強く時に優しく地金表面を削っていきます。

下磨き

リューターという歯科医が使用しているような高速回転機器で、紙やすりや円形の布を重ね中心を縫い合わせた研磨用のバフというもので、形状に合わせて下処理を行っていきます。
その後、更に大きなサイズのバフを大型の高速回転機器のバフモーターシャフトに取り付け高速回転させ研磨します。
ジュエリーの光沢を生み出すための大事な作業です。 研磨剤の種類により布の柔らかさを変えて使用します。
粗い研磨剤には硬めのバフを使用し細かい研磨剤に移行するにつれより柔らかいバフに交換しながら作業していきます。  

石留

地金本体に宝石を留めていく工程です。
石枠のサイズに合わせた宝石を固定し、爪を倒して留めていきます。
留める際に、爪が石に均一にかかるように調整します。
掛かる圧力が均一でないと、石が曲がって留まったり石ゆるみの原因になります。
爪と石の間にわずかな隙間も許されない細密な作業になります。
最高硬度のダイヤモンドでも当たる角度やタイミングが合った時には簡単に割れてしまうことがあります。
その為石留め工程は更なる緊張感を持って取り組みます。

最終仕上げ

一次仕上げ、二次仕上げと段階を重ね磨いていき、
最終の仕上げ工程まで磨いていきます。
最終仕上げまでくると最も軟らかいバフを使用して磨きます。
素手で作業するとそれだけで傷になってしまうので、綺麗な指サックを取り付け作業します。
力を入れすぎずに優しくバフ掛けしていきます。
全体をまんべんなくバフ掛けし最上級の光沢を出していきます。
この作業があるとないとでは仕上がりの光沢が全く違うものになります。

検品

仕上がり、完成した製品を専用の超音波洗浄機で綺麗にして
最後に、検品作業をします。
検品用手袋を着用し肉眼で商品の全体像を確認します。
次に10倍に拡大して見える「ルーペ」を使い細部や石のチェックをします。
石欠けや石動き、石落ちなどが無いか、爪が浮いていないか、磨き残し、または磨きすぎて形状を崩していないか等を細部に渡り、検品担当者がチェックしていきます。
問題が発生した商品はそのまま工場に戻し迅速に修正し再度検品にかけられます。                                最後にグラムを計量して検品終了。
これで、製品の完成となります。

地球の大自然から生まれた天然の希少な素材を
無機的なものから職人の手で命が吹きこまれるような
美しい姿にする、その製作工程には
約100項目と、非常に多くの段階が重ねられています。
そして、長年にわたり培ってきたきた高い加工技術と
造り手の想いが、あるからこそ素晴らしく、美しいジュエリーが出来るんだと思います。