人類が誕生してから、人は美しいと感じるものを身に飾ってきました。
それは、色、輝き、透明度、形状、模様などの視覚的に「美しい」と人の心を魅了するもの。
それが、「宝石」です。
宝石には、美しさに加えて、不変性、耐久性、希少性、携行性があることから
権威やステイタス、組織の象徴、護身符、祭祀用などに使われて、非常に貴重な存在になっています。
そんな「宝石の結晶」についてお話をさせて頂きます。
結晶と非晶質
宝石と呼ばれるものの大半は、地球の大自然から産出した、無機質の「鉱物」です。鉱物以外のものには、生物の活動により生まれた有機質の、「真珠」、「珊瑚」、「琥珀」があります。
鉱物の種類には、知られている限りで約4000種類あるそうで、
そのうち、宝石として使えるものは約70種類しかないといわれています。
ほとんどの鉱物を生成しているのは、原子が規則正しく並んでできる「結晶」です。
ガラスや、オパール、テクタイト、 モルダバイト、琥珀などは、原子の並びが不規則なため
比較的、透明度が低く「非晶質」と呼ばれています。
単結晶と多結晶
水晶は目でみえる大きさまで成長した結晶で「単結晶」と呼ばれています。
宝石をブリリアントカットにするためには、このような単結晶が原石として必要です。
しかし、瑪瑙(アゲート)の様な、目で見えないほど小さな結晶が沢山集まって生成される「多結晶」と呼ばれるものもあります。
多結晶のものに、ブリリアントカットは適していないため、その色合いや模様などの特徴を活かしたカボションカットが施されます。
瑪瑙と成分が非常に似ている鉱物にオパールがありますが、オパールの独特な虹色の輝きは
オパールの中に含まれた、原子よりも大きい球体の粒子のと光の相乗効果で生まれているそうです。
宝石が魅せる美しい色彩と輝きは
その宝石を生成する結晶に関係していたんですんね。
次回は引き続き、宝石に付けられる宝石名とその種類を示す鉱物について
お話をさせて頂きます。