必要な贅沢品とまで言われた婚約指輪
世の中の人々にここまで浸透させてきたダイヤモンドの価値について
私が読んだ本にとても興味深い内容があったので
一部抜粋してまとめたものをご紹介させて頂きます。
前回に引き続き、全6回中の第最終回です。
―ひとかけらの原石―
何十年もの間、この計算しつくされた作戦でデビアスが作り出した婚約指輪の神話は、ダイヤモンドの指輪を目に見える、しかも全世界で愛と成功の象徴としたのみならず、「必要な贅沢」の証としたのだ。
デビアスの作戦は成功した。すでに貴重な宝石の一つとなっていたこの物質は、拡大中の中流層向けに小さくカットされて、そんなかけらでも価値のある宝石であるかのように販売されたのだ。そして誰もがこの石のひとかけらを持つようになったのである。
デビアスはアジア市場に無理やり入ろうとは考えていなかった。歴史的に見ても、1967年まで結婚指輪も婚約指輪もなかった地域だ。ところが1976年には日本人花嫁の半数がダイヤモンドの指輪をしいていた。日本はアメリカに次ぐ第2のダイヤモンド市場となったのだ。
ダイヤモンドの指輪は、知らず知らずのうちに欲しくなるという話で終わらない。
引用・参考文献
自分達が何者で、何が欲しくて、この人生が将来どうなっていくのか、いかないのかという認識の中に、ダイヤモンドの婚約指輪というコンセプトを組み込んでいるのだ。
この事実は驚くべきことだ。他のどんな会社もそのような偉業を達成してはいない。
その他の製品でアメリカンドリームの中に繋ぎ目も見えないほどに、溶け込んだものはない。
人間の想像力の為せる業だ。
これまで常にそうだったわけではない、たかが80年ほどのことなのだ。
エイジャー・レイデン、2017年、「宝石 欲望と錯覚の世界史」、築地書館
ダイヤモンドと婚約指輪についてのお話をご紹介させて頂きました。
人々が必要と思っていなかったものに対して価値をつけ
また、魅力的なものとして映し出す力
デビアスの戦略で婚約指輪のイメージが出来た事で
今の文化があるのかもしれませんが
ダイヤモンド自体にも見ただけで十分人の心を魅了する力があり
美しく、魅力的だからこそ確立したものになったのではないかと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。