こんにちは。LENNY BATONデザイナーの佐藤です。
前回の記事で、時の権力者であった男たちがダイヤモンドを溺愛し、代々受け継いできたエピソードをお話ししました。
今回は、彼らがなぜダイヤモンドの魅力にとりつかれたのか。その理由に迫る!の前編。
知られざるダイヤモンドヒストリーを紐解いていきます。
キーワードは、“adamas”

ダイヤモンドが取引され始めたのは紀元前4世紀のインド。
その時はまだ、インドの田舎の河原だけで採れる希少な、透明感のあるやけに硬い石。
インド人たちは、その石がまさか未来でナポレオンに愛され、世の女性たちを虜にするとは夢にも思わなかったでしょう。
やがて、そのあまりに硬い鉱石の評判は国外へと広まり、旧約聖書にも記される古代ギリシャ語『adamas』と名付けられます。
adamas :『征服されざる者』『不屈』『無敵』
なんとも物々しいギラギラネーム…その硬さにどれだけの衝撃を受けたかが想像できます。

当時はその屈強な石を綺麗にカットしたり研磨する技術はなく、回転する木の円盤に擦り当てて軽く磨く程度。
形もいびつで、取引価格は美しさで勝るルビーの8分の1ほどでした。
ところが。時は巡り巡って1475年、ベルギーの宝石職人ベルケムによって「ダイヤモンドをダイヤモンドで磨く」という、目から鱗な研磨技術が開発されます。

ちなみにこの人類初の偉業の裏には、ベルケムが貫いた奇跡の恋愛物語が・・・・・脱線しそうなので詳しくはまたの機会に。
そんなこんなで次第に宝石としての価値が認められていったダイヤモンドは、国王ルイ14世や皇帝ナポレオンが欲する石へと変貌を遂げたのです。
さて、ここでクエスチョン。
それまでダイヤモンドよりも美しく高価だったルビーやサファイアではなく、新参者のダイヤモンドに彼らが心を奪われた理由とはいったい・・・
この続きはまた次回【勝ち続けるための石】で核心に迫ります。
LENNY BATONデザイナーの佐藤でした。

【LENNY BATON】